アラカン姉妹ふたり暮らしの日々

姉は介護福祉士で妹は看護師。なんとなく始まったふたり暮らしの日々。

お見送りの日

今日

ひとりの利用者様が旅立たれました。


もう今日明日の命と言われ

最後の面会を促されても


コロナ禍で長い間会えないうちに

別人のように痩せ衰えた姿に

ご家族はどうしても耐えられず


「…とても見てられないので

   今日は帰ります」


ご家族の辛いお気持ち

一概に否定できません。



促迫していた呼吸が

ゆっくりと落ち始めた午後


私は偶然

その方のベッドサイドに

いることができました。


「もうすぐ皆さんお見えになりますよ」

「陽が差してきましたよ」


声をかけながら手をさすっていると

その方の呼吸が静かに止まりました。


何もできなかったけど

旅立ちのその瞬間に

ひとりで逝かせずにすんだのが

(自己満足かもしれないけど)

せめてもの救いでした。


…どんなに注意して見ていても

その瞬間ひとりにしてしまって

切ない気持ちになることが

ほとんどなのです…


身体を清めて

ご家族の選んだ旅立ちの装束を着せて

顔をクリームでマッサージし

半開きだった瞼を閉じて

安らかなお顔をご家族に

お見せすることができました。


お茶の大好きだった貴方

配薬の時にお茶を注ぐと

いつもおかわりをしてましたね。


どうかこれからの長い旅路の間

喉が渇いても

いっぱいお茶が飲めますように🍵